前立腺がんとPSA検査
おはようございます、株式会社ウェルネス医療情報センターです。
男性ならば「前立腺」は気になる部位ですよね。
ですが、前立腺の正体はご存じない方も多くいらっしゃると思います。
今回は、前立腺と前立腺がんの検査方法について詳しく解説します!
前立腺ってなに?
前立腺は男性のみにある臓器です。
膀胱の下に位置し、尿道のまわりを取り囲むように位置しています。
前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液をつくっており、前立腺液にPSAというタンパク質が含まれています。
ほとんどのPSAは、前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。
ですので、前立腺がんのない方の血液から、少量のPSAが検出されることがあります。
前立腺がんとPSA検査
人間ドックのオプション検査などで、前立腺がんの腫瘍マーカーとしてPSA検査を導入している施設が多くあります。
PSA検査は、前立腺がんを早期発見するための最も有用な検査です。
なぜ前立腺がんでPSAを調べるかというと、前立腺がんなどにより前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出し
増加します。そのため、血液検査でPSA値を調べることによって、前立腺がんの可能性がわかるのです。
PSAの正常範囲ってどれくらい?
PSAの基準値は一般的には0~4ng/mLとされていますが、年齢によって基準値を下げる場合もあります。
PSA値が4~10ng/mLを所謂「グレーゾーン」といい、25~40%の割合でがんが発見されます。
100ng/mLを超える場合には前立腺がんが強く疑われ、転移している可能性もあります。
ただし、10ng/mL以上の場合でも前立腺がんが発見されないこともあります。
逆に4ng/mL以下でも前立腺がんが発見されることもあります。
PSAが正常範囲外だったときどうすればいいの?
PSA値が正常範囲外の場合、前立腺がんだけではなく、前立腺炎や前立腺肥大症も疑われます。
まずは保険診療で診察を受け、前立腺がんか他の疾患なのか、鑑別が必要になります。
具体的には、医師の判断によっては前立腺触診や前立腺エコー・MRIなどの追加検査を行います。
その後、前立腺がんの確定診断のために、前立腺生検が行われる流れになります。
PSAは何歳から受けたほうがいいの?
「前立腺がん検診ガイドライン」では、50歳を過ぎたらPSA検査を受けることが推奨されています。
前立腺がんは、50歳を過ぎると罹患率が急激に増加するためです。
また高危険度群か調べるために、人間ドックなどで受診者様が料金負担される場合には、40歳から受診されるよう推奨されています。
さらに、前立腺がんのリスク因子には、家族歴も挙げられています。
ご家族の既往歴に前立腺がんがある男性は、40歳になったらPSA検査を受けることを特に勧められています。
PSA検査は定期的に受けましょう!
前立腺がんは、自覚症状がほとんどないために発見が遅れることが多いがんです。
自覚症状が出てから医療機関に受診して発見される前立腺がんの約40%は、他の臓器にも転移しています。
ですが、PSA検査などの検診で発見された前立腺がんの約60%は、早期のがんだったという研究結果があります。
また、一度PSA検査を受けて異常がなくても、小さい前立腺がんが隠れている可能性や、将来前立腺がんに罹患する可能性もあります。
このような理由から定期的に受けることが勧められます。
弊社では、検診の代行予約や健康相談サポート等、皆さまのヘルスリテラシー意識向上に向けて様々なサービスを行っております。
ぜひお気軽にご相談くださいませ。
【参考サイト】 1)兵庫医科大学泌尿器科学教室「前立腺がんとは?」 |